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愛知県で医療法人を設立するには?設立認可の流れ・スケジュール・必要な手続きを解説

10月4日
読了時間: 9分

はじめに


「そろそろクリニックを医療法人化したい」と考えていても、すぐに医療法人を設立できるわけではありません。

医療法人を設立するためには都道府県知事の認可を受ける必要があり、申請の時期や手続きの進め方は都道府県によって異なります。


特に愛知県では、設立認可申請に先立って県が実施する「医療法人設立事務に関する説明会」への参加が必須となっており、認可申請についても年間のスケジュールが定められています。

そのため、「○月から医療法人として診療を始めたい」という希望がある場合には、その時期から逆算して早めに準備を始めることが重要です。


本コラムでは、愛知県で医療法人を設立する場合の流れやスケジュール、注意点について解説します。



1.医療法人は自由なタイミングで設立できるわけではない


医療法人を設立するためには、医療法に基づき都道府県知事の認可を受ける必要があります。

株式会社のように、必要書類を準備して法務局で登記をすれば設立できるというものではありません。


愛知県では、医療法人設立認可の手続きが年間のスケジュールに沿って行われており、設立を希望する時期によって、いつから準備を始めるべきかが変わってきます。

また、設立認可申請を行う前提として、愛知県が開催する説明会への参加も必要です。


「法人化したい」と思ってから実際に医療法人として診療を開始するまでには一定の期間が必要となるため、余裕をもったスケジュールを組むことが大切です。



2.愛知県では「医療法人設立事務に関する説明会」への参加が必須


愛知県で医療法人を設立する場合に、まず注意したいのが「医療法人設立事務に関する説明会」です。


愛知県では、設立認可申請にあたり、この説明会への参加を必須としており、説明会に出席していない場合には設立認可申請を受け付けないとしています。

説明会は、原則として年2回、5月頃と11月頃に開催されています。


また、誰でも代理で参加できるわけではありません。

受講対象者は、説明会受講後おおむね2年以内に設立を予定している医療法人の「理事長または理事就任予定者」とされており、代理出席は認められていません。


さらに、説明会を受講してから2年以上経過した場合には、再度受講する必要があります。

そのため、愛知県で医療法人化を検討する場合には、まず説明会の開催時期を確認することが重要です。



3.愛知県の医療法人設立認可は年4回


説明会が年2回である一方、愛知県の医療法人設立認可手続きは、年4回のサイクルで行われています。


愛知県が公表している2026年度のスケジュールでは、財産目録の作成基準日、申請書原稿の提出、正本提出、医療法人許認可部会を経て、おおむね次の時期に設立認可が予定されています。


6月頃・9月頃・12月頃・3月頃


ただし、認可月の直前に申請すればよいわけではありません。


例えば9月頃の認可を目指す場合には、3月31日を財産目録の作成基準日として、5月末までに申請書の原稿を提出し、その後、愛知県による内容審査や補正対応を経て、7月下旬頃に正本を提出するという流れになります。

つまり、実際の認可よりもかなり前から準備を進める必要があります。


希望する法人化の時期が決まっている場合には、「認可を受けたい月」だけを見るのではなく、原稿提出期限や財産目録の作成基準日などから逆算して準備を始めることが重要です。



4.愛知県で医療法人を設立するまでの基本的な流れ


愛知県で医療法人を設立する場合、おおむね次のような流れで手続きを進めます。


STEP1 医療法人設立事務に関する説明会を受講する

まず、愛知県が開催する説明会を受講します。

前述のとおり、愛知県では説明会への参加が設立認可申請の前提となっています。

医療法人化を少しでも検討している場合には、希望する法人化の時期から逆算し、早めに説明会の日程を確認しておくとよいでしょう。


STEP2 医療法人化の内容を整理する

説明会の受講と並行して、設立する医療法人の基本事項を整理していきます。


例えば、

医療法人の名称・主たる事務所の所在地・社員・理事・監事・理事長・医療法人に引き継ぐ財産・診療所の土地・建物・医療機器等の取扱い・借入金やリース契約等の取扱い・設立後の事業計画・収支計画

などを検討します。


特に、個人診療所から医療法人へ移行する場合には、個人で所有している医療機器やその他の資産をどのように法人へ引き継ぐのか、診療所の不動産をどのように使用するのかなど、事前に整理すべき事項が多くあります。


STEP3 定款・財産目録・事業計画等の申請書類を作成する

法人の基本事項が固まったら、設立認可申請に必要な書類を作成します。


主な書類としては、

・設立認可申請書・定款・財産目録・社員及び役員名簿・設立総会議事録・設立趣意書・診療所等の概要・事業計画書・予算書・役員の履歴書・就任承諾書

などがあります。


設立する法人の状況によって必要書類は異なるため、個別のケースに応じて準備する必要があります。


STEP4 申請書の原稿を愛知県へ提出する

愛知県では、いきなり完成した申請書を正本として提出するのではなく、まず申請書の原稿を提出し、内容の確認・審査を受けます。

その後、県から修正や追加資料の提出等を求められた場合には、それに対応して申請内容を整えていきます。


医療法人設立認可申請では、定款や役員構成だけでなく、財産、事業計画、予算、診療所の運営形態など多岐にわたる内容が審査されます。

そのため、原稿提出期限の直前になってから書類作成を始めるのではなく、余裕を持って準備を進めることが重要です。


STEP5 申請書の正本を提出する

県による原稿確認・内容審査を経て申請内容が整った後、設立認可申請書の正本を提出します。

愛知県の案内では、設立認可申請書及び添付書類は正副2部を提出することとされています。


STEP6 医療法人許認可部会を経て、設立認可

提出された申請について審査が行われ、愛知県医療審議会の医療法人許認可部会を経て、設立が認可されます。

ただし、「認可された=医療法人が成立した」というわけではありません。

認可後にも重要な手続きが続きます。


5.設立認可後は「設立登記」が必要

医療法人は、設立認可を受けただけでは成立しません。

認可後、法務局で設立登記を行うことによって医療法人が成立します。

設立の認可等、設立に必要な手続きが終了した日から2週間以内に設立登記を行う必要があります。

また、設立登記を行った後は、愛知県知事に「医療法人設立登記完了届」を提出します。


このように、医療法人の設立では、

「設立認可」→「設立登記」

という2つの段階があることを押さえておきましょう。


なお、登記手続きは司法書士の業務となるため、司法書士と連携しながら進めることになります。



6.法人設立後は診療所の開設手続きも必要


個人診療所を医療法人化する場合、「法人ができれば、そのまま今までの診療所で診療を続けられる」というわけではありません。

個人の医師が開設していた診療所と、医療法人が開設する診療所では「開設者」が異なります。


そのため、医療法人化に伴い、医療法人を開設者とする診療所の開設許可申請等が必要になります。

さらに、保険診療を行う場合には、地方厚生(支)局における保険医療機関の指定に関する手続きも必要です。


つまり、医療法人化は、

医療法人設立認可

↓

設立登記

↓

法人による診療所開設手続き

↓

保険医療機関の指定に関する手続き

↓

医療法人として診療開始


という流れで考える必要があります。

特に保険診療を途切れさせずに個人診療所から医療法人へ移行したい場合には、それぞれの行政手続きのタイミングを調整しながら進めることが重要です。



7.名古屋市内の診療所はどこに申請する?


愛知県内であっても、診療所の所在地によって開設許可等の提出先が異なります。

愛知県の案内では、名古屋市、豊橋市、岡崎市、一宮市および豊田市内の医療機関については、それぞれの市が窓口となっています。


例えば、名古屋市内で医療法人化する場合には、医療法人そのものの「設立認可」は愛知県へ申請する一方、法人による「診療所の開設許可」等については名古屋市の窓口で手続きを進めることになります。


医療法人化では複数の行政機関への手続きが発生するため、「何を、いつ、どこへ提出するのか」をあらかじめ整理しておくことが大切です。



8.愛知県で医療法人化するなら、いつから準備すべき?

医療法人化を検討する場合には、「法人化したい時期」が決まってから動き始めるのではなく、できるだけ早い段階から準備を始めることをおすすめします。


特に愛知県では、

・説明会が原則年2回

・設立認可手続きが年4回

・申請書の原稿提出期限がある

・県による事前の内容確認・審査がある

・認可後にも登記、診療所開設、保険医療機関指定等の手続きがある


となるため、希望する時期に医療法人化するためには、全体のスケジュール管理が非常に重要です。


「来年の○月頃には法人化したい」といった希望がある場合には、まずその時期から逆算して、どの認可スケジュールを目指すのかを決めるところから始めるとよいでしょう。



おわりに


愛知県で医療法人を設立する場合には、愛知県知事の設立認可を受けるだけでなく、その前段階として「医療法人設立事務に関する説明会」への参加が必要です。


また、設立認可には年間のスケジュールがあり、認可後にも設立登記、診療所の開設手続き、保険医療機関の指定に関する手続きなどが続きます。


そのため、医療法人化では「設立認可申請だけ」を考えるのではなく、実際に医療法人として診療を開始する日から逆算して、各手続きを計画的に進めることが重要です。


当事務所では、愛知県における医療法人設立認可申請をはじめ、診療所開設に関する行政手続き、保険医療機関の指定に関する手続きなど、医療法人化に伴う一連の手続きをサポートしております。

「いつ頃から準備を始めれば希望する時期に法人化できるのか」「まず何から準備すればよいのかわからない」といった段階でも、お気軽にご相談ください。



制度は改正されることがあります。最新情報については、当事務所にご確認ください。


行政書士岡瑛美事務所 岡 瑛美

医療分野に特化した行政書士として、開設から運営まで一貫してサポートします。

「まだ検討段階」という方のご相談も歓迎しています。


※本コラムは2026年10月時点で公表されている愛知県の情報をもとに作成しています。説明会の日程、申請期限その他の運用は変更される場合がありますので、実際に申請する際には最新の情報をご確認ください。

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